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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

お兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい!いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!
やまとかぜのお兄さんたちと同じ名前で、同じ職業だけど、他人の空似だと思ってくださいね^^



すいません、また切ないお話になっちゃいました。

学生パロのにのとおーのくんのお話(気づいたら、気づけばいいのに)に、繋がってます。
そちらを読んでいただければ、また違った感じで読めるかと。
単体でも、読めるようにはしております!!







美術室の隅っこで、キャンパスに向かう、その横顔が好きだった。
一心に注がれたその筆の先は、彼の心を描く。
その筆先に、いつか自分が描かれることを、信じていた。



放課後。
夕日が沈む、ちょい手前。
やっと、生徒会の仕事に区切りつけて、俺は旧校舎の奥にある美術室に向かった。
老朽化の進んだこの校舎は、文系の部室にしか使われていない。
歩けばぎしぎしとなる廊下を進めば、美術室書かれた教室。

静かに開けたつもりでも、ガラガラと大きな音を立て、開くドア。


「お、しょーくん。仕事、終わった?」


美術室特有の独特の絵の具の匂いや、石膏の匂いに包まれながら、さとしは振り返った。

さとしは小学校からずっと家が近くて、同い年って事や母親が仲良くなった事もあって、
ずっと、一緒に居た。
一緒に居ることが、当たり前になって。
いつかからか芽生えた恋心を、ずっと抱えたまま今に、至る。
俺は、ひらすらそれを隠し続ける。この関係が崩れてしまうのが、怖くて。


「うん、今終わらせてきた。そっち、絵の方はどう?今度、コンクールなんだろ?」
「構想は出来てるよ。あとは、ニノ次第かな。」


ニノ。さとしの、所謂恋人。
夏休み明けに、明かされた秘密。
補習中に、好きになって、夏休みをそいつと過ごして、付き合い始めた。
どうして好きになったの、って聞いたら、にのの目に写るものは綺麗、だという。
さとしは、にのと付き合い始めてから描く絵は、全てそいつの視線を描いたものになった。

黒く渦巻くほどの嫉妬に駆られそうになる。
時間の重さから考えても、俺の方がずっとさとしを見てきたのに。
さとしの目には俺は映る事はなかった、のだから。

それでも、ひたすら隠し続ける、俺がいけないのかもしれないけど。
ほら、今だって、無理やり笑って。


「そっか。どう、上手くいきそう?」
「大丈夫。ニノが居るから」


さとしらしい、眉を八の字に下げて笑う。その顔だけは小さいときから、変わらなくて。


「本当、好きだね。その・・・、ニノの事。」
「…おいらの、全てだから」


最高の殺し文句。
きっと、こんなにも俺の事傷つけてるだなんて、思ってもみないだろうね。
もし、この想い告げたら、どうする?


「ねえ、さとし。俺さ・・・・・・」




ガラガラ


古びて建付けの悪いドアの音が響く。

「おーのさん、終わった?」

間延びするような声。
はっ、として振り返ると、ゲームを片手に、さとしのような軽い猫背で佇んでいた。
ああ、これが「にの」なんだ。
同じクラスになった事もなく、面識のなかった俺だったがすぐにこいつが「にの」だと気づいた。

「終わった!ちょっと、待って。後、片付けるから」
「はーい、んじゃ、待ってっから」

片づけを慌しくはじめたさとし。
にの、に目線を向けると、あっちも俺に視線を向け、目があって。
小さく、頭を下げてきた。


「あんた、生徒会長のさくらいくん、だよね」
「・・・そう、だけど」
「なんで、ここにいんの?」

明らかに敵意、された声。

「いや、さとしと幼馴染だし。ってか、別に俺がここにいても関係なくね?」
「…ま、そーでしょうね。それは失礼しました」

素っ気無く謝られ、そして素っ気無くゲームを始めやがった。
なんだ、こいつ…すっげえムカつく。

「終わったぁ!」

ちょっとだけ、殺伐とした雰囲気の中、さとしの間抜けた声。

「あんた、ちゃんと片付けたの?」
「大丈夫だって、どうせ明日も俺しか使わねーもん、ここ」

机に置いていた鞄を肩に担ぎ、さとしは一目散にニノの元に向かった。
なんて、幸せそうな顔なんだろうか。
嬉しくてたまんない、って顔。
俺をすい、とすり抜けるさとしに、また胸が痛んだ。


「しょーくんも帰ろう?仕事、終わったんでしょ」


ニノの元に向かったさとしが振り返って、俺に手招きする。
もともと一緒に帰るつもりで、ここに来たんだけど。
さすがに、二人の間に入って帰る事は、俺には出来なかった。
出来ない、っていうのは、横のニノの顔が明らかに不機嫌そうだからっていうのもあって。

「いや、やめとくわ。ちょっと、職員室寄ってかないといけねーから」
「そう…?でも」
「いいんだよ、顔出しただけだから。じゃあ、またな」


二人の横を通り抜けて、俺は旧校舎を後にした。
旧校舎が見える、教室に戻り、癖のようになった美術室の方へ目を向けた。
帰ると、聞いたから、暗いものと思ったその教室にはまだ明かりがついていて。






曇りガラスの向こう、重なる影が見えた。













俺の恋が、終わっていく。
けれど、この関係だけは続けさせてよ。








が痛んでも
(居場所を無くすまで)














追伸
ごめん、しょうちゃん
本当・・・いっつも辛い立ち位置で書いてしまう、私を許してください。




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あちこちに…
あちこちに出没して申し訳ないですっ。
この学生パロもシリーズ化していただけるんでしょうか?
しょーちゃん、ガンバって!って応援させて下さい。
おーみあは大好きだけど、切ない想いを抱えたしょーちゃんを
みるのは…ココロガイタイデス(T-T)
あめみや様、耐えるだけのしょーちゃんですか?
反撃には出たりしませんか?
どんな感じでしょ^^;
続きがあったら嬉しいです♪

もう、勝手なことばかり言って申し訳ございません。
でも、更新を首を長~くして楽しみにしてますので
学業に差しさわりのない程度にガンバって下さいね♪
ななみ♪ 2008/09/17(Wed)22:30:53 編集
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初めに
こちらは、山が上、下に置く風なグループのお兄さんたちと同姓同名だったり、え!職業も性格も似てね^^?って言う方々がちょっとだけいちゃいちゃしてたりしてます。いわゆる、ビィエルゥな小説を置いているサイトでありブログです。
ここに関係者、また事務所さんとは全く関係ない事を誓います!
居ないとは…思いますが、所謂パ、クリとかしないで頂きたいです。 そして、あらし、さらしは止めてください。また、オンラインブックマークなども、我慢して下さい。本当にお願いします!
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