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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

お兄ちゃん同士の恋、が絡んでます。あれ、どっかで見たぞ?聞いたことあるぞ?とか、思っても…
胸の内で秘めといてください。そっとしおくのが、得策です。ええ。
そして女の子が、まったく一切、絡んでないです。つーことは、どんな恋のお話だい?って思われた方は、ここいらで、引き上げましょう。…見ちゃだめ。

知ってるよ!そんな恋を見たい!いや、見てあげてるだけだからねっ^^
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!

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笠波さまリクエスト「加糖なNO」



ちょっとした、喧嘩をしちゃってます。
いや、可愛いもんですよ…多分。

その…すいません。はい…






さとしはいそいそと、釣りの準備に勤しんでいた。
あれぐらい仕事に力注げば、なんてちょっと思うけど。いや、別段それがさとしの仕事のスタイルだから、咎め
はしない。それに仕事に趣味を持ち込んでるのは、俺の方だし。って、問題はそこじゃない。


なんでわざわざ、俺んちでやんのか、って話なの。その釣りの準備。
おかげで、俺の部屋は潮の香りをアクセントに、釣り道具に囲まれている。


「もう、お前帰れよっ!」
「んーあとちょっと…」


恋人と趣味の食い違いで、別れるって聞くけど、それが何となく分かる気がする。
俺はゲームとマジックが趣味だけど、さとしには、そういうの嫌いだし。
絵や粘土、ましてや船酔い最強な俺にとって、釣りなんて考えたくもない。
何時ぞやに、じゅんくんがさとしに”同じ趣味見つけよう”って言ってたけど、俺も、って賛同したいくらいですよ。

ま、趣味の話はいいとして。個人の嗜好だしね。
問題は、もっと簡単で、複雑な…ところ。


俺のするゲーム音だけが響く部屋に、鳴り響いた携帯の着信。
電話嫌いなさとしが、自分の携帯がなったことに気づき、また置きなおすのかなと、見てたら。
電話の相手が分かった途端、取ってやんの。
恋人の俺でさえ、一回では取ってくれないのに!

「もしもし?うん、今用意してるって!…うん、そうなんだよー、風がちょっとつえーんだよな…うん、出してくれそう?」


そう、この釣り友達って、のがなかなか手強いの。
このにのちゃんでさえ、敵わないんだもん。
俺より、時間を共有して。電話も出来て、さらには趣味まで一緒。
なんか、さ。

むかつく。


俺は何にも考えたくなくて、自分の意見を持ちたくなくて、ゲームをしてるはずなんだけど…
画面の状況が全く頭に入ってこない。
もう何基死んだかわかんない、くらい。
今も、楽しそうにしゃべって、る。
暢気に。

むかつく。

子供じみてるのは、分かってる。
でも。
一人ぼっちになったみたいだ。置いてかれてる気がして。
俺、我侭だからさ。
自分は放っておくくせに、逆に放って置かれると、寂しくなる。
全部、さとしと出会ってからだよ。
いつも、それを分かってくれる。
でも、最近それに気づいてくれない。



「じゃあ明日なー」


電話を切った、瞬間。
その顔があんまりにも、にやけてるから。
俺のもやもやした気持ちが爆発する。
持ってたゲームをベットに投げて。さとしの襟を掴んだ。


「…あんたさ。俺と釣り、どっちが好きなの?釣り止めるか、俺と別れるか、どっちか決めてよ」
「え…」
「分かってんだろ。最近、釣り、釣り、釣りって。」
「にのも…いく?」
「行く訳ねーだろ。お前みたいに趣味じゃねーもん。」


さとしは困ったように眉を下げる。そりゃ、矛盾を言ってるわけだし。
途方にもくれるだろう。
でもそれを受け止めてくれるのが、恋人、でしょ?

「どうしたら、いい?」
「そんなの知るかよ。もういい。さっさと、この荷物持って、その釣り友達の家に行けばいいじゃん。大体さ、俺んちにこんなの置かれても困るんだよ。潮臭いし。それに…俺と居るときよりも…釣りしてるほうが楽しそうじゃん。もう…別れた方が」

「ねえ、にの…それ本気で言ってんの?」
「なんだよ」
「本気で言ってんのか、って聞いてんの」


さとしの目が据わってる。相当、頭来てんな。でも、俺だってそれくらいムカついてんの。
けど、さすがに本気で怒ったさとしは俺でも怯む。
普段、静かな人ほどキレると怖い、とはこの事。

「だったら、なに?」
「釣りとにのを比べるほど、俺、馬鹿じゃないよ。そんなの、にのに決まってる。なんで、分かってくんないの?ここで、釣り準備するのだって、ちょっとでもにのの所に居たいからだし。…だっていつも、マジックで営業だ、なんて居ないし、おいらといるより楽しそうじゃん。…俺だって辛いんだよ。マジックくらい、俺がいつだって見てやるのに。でも、それじゃだめなんでしょ。」

さとしの口調がいつもより強い。
けれど、その声音は全然俺を責めることなく、優しい。
その手がゆっくりと襟元を掴む俺の手を解き、自分の頬に寄せる。
いつも嗅ぐ、潮の香りが、さとしの薄くつけた香水の香りと混じって香る。
いつの間にか、潮の香りに落ち着いてる自分を感じた。
そっか、もうこの香りは、さとしそのものなんだ、って。

俺は、膝をついてさとしをぎゅっと抱きしめた。
何度も、ごめんと呟いて。

「分かってくれたなら、いいよ。覚えておいてね、俺、にののことが一番大事なんだから」

背中に、腕が回る。
あったかいその体温に包まれて、今にも泣きそうだった。
泣かないけど。

「にのは?俺とマジックとゲーム、どれが好き?」
「さとし」
「うん、それでよし」


額を合わせ、くすくすと笑いあう。
それから、小さくキスして。






「ねえ、だから…釣り、行ってもいいでしょ?」






空気は、読めてないみたいだけど。
今回はしょうがないから、許そう。




「好きにしなよ。でも、体が行けるかどうか…は、分かんないよ?」
「え…まさか…」








腰が立たないかもね。
(朝まで、寝かせはしないから)







追伸

笠波さまリクエスト 「加糖なNO」

でしたが…!
甘い、のかな。どーなのかな。と、言ったところでしょうか…。
にのちゃん、やきもち編でした。
ついに使ってしまったよ…「私と釣り、どっちが好きなの!?」って。

ど、どうで…しょうか…!
2,3日に分けて書いたので、なんか話が纏まってない感がたっぷりです、が…。

すみませんでした…!
でも、やっと温めてた「どっち!?」が使えて、楽しかったです。

少しでもお気に召していただけたら、嬉しいです!
リクエストありがとうございました!











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HN
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ありがとうございます。
ありがとうございます。
毎朝、学校行く前に1日のエネルギー補給に読ませて頂いてまして、リクエストして本当に書いてくれたら嬉しいなぁぐらいしか思ってなかったので、本当に書いてくださって凄く嬉しいです。
コメントや拍手はあまりしませんが、応援しています。
頑張らなくて良いです、ゆっくり進んで下さい…(?)
本当にありがとうございました。
笠波 2008/11/10(Mon)20:48:49 編集
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