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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

ちょっとだけお兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい!いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!
やまとかぜのお兄さんたちと同じ名前で、同じ職業だけど、他人の空似だと思ってくださいね^^


まつじゅん、誕生日おめでとーーーーございます!!!!!!!!!


誕生日SSじゃないですが。



ついに最終回となりました。

どっちも幸せにしたい、と思った結果、二つの話し書けばいいじゃない、っていう安直な考えから
ちょっと特殊で、にのばーじょんとまつじゅんばーじょんに分けてあります。


どっちを幸せにしてあげたいか、で読んでいただければ、と。

スパンが開いて、ちょっと話が変ですがご了承ください!っつことで、最後のお付き合いお願いしまーす^^



まつじゅんバージョンドウゾー ↓










こういう関係になって、気付けば一ヵ月がすぎていた。
毎日、目を覚ますのが恐くて…夢で、彼が居なくなるような気がして。

ゆっくりと目を開けば、彼の寝顔。
良かったと、体をギュッと抱き締めた。
こうやって恋人らしく過ごしている。

動いた事に気づいたおおのくんが、少し目を開いた。

「まだ、寝てて」

そう呟くと彼は薄っすら笑って、再び目を閉じた。



ああ、夢じゃない。



傍にいる事が、こんなにも幸せだなんて。

それでも、どこかで苦しめてるんだろう、彼を。




あの日、飽きたから、とにのは言った。そんなはずなんか絶対ない。
けど…聞かないフリした。俺も、おおのくんも。


彼がその選択肢を選んだ理由は分からない。にのを待ってるのかも知れないし、本当に俺を。


ともかく、今この腕に居る彼を離さないようにするだけだ。
仕事の時間はまだ遠い。俺は、瞼を閉じしばし眠りに就いた。





今日の仕事は5人での撮影。楽屋に入るといつもの空気とは違った。
心なしか居心地が悪い。おーのくんも感づいたのか、俺から離れた場所に座った。
俺達は表立って、一緒に居ない。にのの手前、かな。
付き合いだしてというもの、いつも騒がしい楽屋は静かになったから。



それでも撮影は順調に進んだ。始終、楽しげな声が響く。



ああ、分かった。にのの雰囲気が刺々しくなくなったんだ。
あの全てをなくした様な、空気が消えている。居心地の悪さはそのせいだ。
罪悪感が、何故か増した。




どうしてだろう。





一抹の不安を残して、仕事を終えた。








「じゅんくん、ちょっといい?」


帰り際。弾んだようなにのの声。久々に声を掛けて来たものだから、すげぇ驚いて。
そんな俺を見て、大笑いするニノ。こんなことプライベートじゃ久々で。



「そんな驚かなくていいんじゃない?」



まぁいいや、にのはゆっくり俺に近づいて。不敵に笑った。



「ね、俺に言うことない?」


俺の顔を覗き込んで呟く。言わなきゃいけない事。
あの日以来、まともにニノと喋った事がなかった。仕事以外で。
なら、言わなきゃいけない事。


「ごめん…?」
「なによ、その疑問形…」



急に真顔になって、俺の首元引っ掴んで壁に押し付けた。

「これ、おじさんとやったドラマのワンシーンね」

するといつものイタズラっぽい顔。もっと罵るとか、殴るとかねーわけ?
なんで、そんな冗談めかしてんだよ。


「ねえ殴って欲しい?」


それぐらいの事したんだし、と小さく頷いた。


「殴んないよ。お互い様、かな。」


んふふと笑って、にのは手を離して俺の横に来て壁に寄り掛かった。


「ね、じゅんくん。俺ね、本当にフラれたんだ。」
「振られた…?」


にのは天井を仰ぎながら、頷き話を続けた。

「昨日ね、おおのさんと会ったわけ。だから、言ったのよ。あんたの事振る訳ないって。
戻ってきてよ、傍に居てよって。もう縋っちゃった訳。いやー、今思うと女々しいんだけどさ。」
「…にの…」
「そしたらさ、好きだから傍に居れない、って。意味分かんないでしょ。好きなら来いっつーの。」


ニノの声が心なしか震えてる。

「もう、決めたんだって。じゅんくんのとこに居るって。だから、わたくし考えたんですよ。」


とん、と壁からはなれ、俺の目の前に立った。
瞳は零れかかった、涙で濡れている。


「かずなりくんはやさしいので、じゅんくんに、おおのさんの事預けることにする。だから、幸せにしてあげて」


泣かせたら、返して貰うから。




そう言って俺の言葉をなにもまたずに、にのはその場を去った。

「ごめんっ!絶対幸せにすっから。ニノの分も、いやそれ以上!」


廊下に響き渡る。恥ずかしさとか、全くなくて。
けど、ニノは照れたように、小さく手を振って、帰って行く。




すぐに、俺は走り出した。




彼の元へと。





おおのくんは、俺を選んでくれた。
ニノを振ったその日、俺んちに来て何事もないように過ごした。
辛いはずなのに。
今日の朝だって、ああやって笑ってた。



俺とニノの事で、ずっと悩んでたんだ。
誰にも言えず。ニノが好きで、俺が好きだって事を。




抱きしめたい。












楽屋を出るおおのくんを見つけた。どうやら、俺を探してる。



「さとし!!!」



初めて、呼ぶ名前。
振り向いた瞬間、その腕を引いて強く抱きしめた。



「ね、俺でいいの?」
「…いいよ。…けど、まだにのが好きなのは、多分消せない」


彼は困ったように呟いた。

「いいよ、消せなくても。」









そんな君さえ、愛したいから。






愛してる。






それはまだ、伝えてはいけない。




伝えてはいけない
(伝えるからこそ、意味があって)






追伸
---------- 終了 -----------
しますた。じゅんくんばーじょん!


よろしければ、にのちゃんバージョンも読んでください。
話はまつじゅんとは重なってないのでご安心を。



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