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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

お兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい!いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!


あれ?も金曜日にあるドラマで、最終回だった弁護士さんと刑事さんだよね!そうだよね!っておもうけど、あれだよ他人の空似なんで!
そっとしとこう…^^






とにかく、暗いし、またもや死にネタ、です。
なんか、気持ちブルー、になります。

ので、気分を害されるかもしれないので、注意してください。
後で、怒っても知らないからね…!


それを押さえた上で、ドウゾー↓








夢の中で、りょうが遠くにいく夢を見た。
一筋の光が差す、トンネルの向こうへ、一人で行ってしまう。
行かないで、って叫んでも、それはただトンネルの中に響くだけで、りょうには聞こえてないみたいだった。


そして、りょうはトンネルの向こう、光の中へ消えていった。



「りょうっ!」



ぱっと目を開いて、起き上がる。
心臓は未だざわめいて、息が上がったままだ。
寝汗を酷く掻いていた。

「…どうしたんです…?」

俺の横でシーツの布擦れの音がする。
りょうが寝返りを打って、俺を見上げてる。

「りょう…が、遠くに行っちゃう、夢、見たから…」

頭を抱える俺に、りょうは起き上がって、汗で濡れた髪をそっと撫でてくれる。
細くしなやかな指が、りょうの存在をはっきりさせる。

「ちゃんと、ここにいます。あなたを、置いて、どこにも行きませんよ」

すべてを包むように。
柔らかな声音を響かせ、もう一度シーツの海に飛び込んだ。
切ない声音に変わったとき、夢のことも忘れ、俺はりょうの体をだきしめていた。




その体が、もうすぐ壊れていくことも、知らずに。






その夜、妙にそわそわしていた。
りょうは仕事から帰ってこず、時計の針がただ黙々と進んで行くだけ。
連絡しても、反応が返ってこない。
いつものこと、なはずなのに、今日は胸騒ぎが止まない。
手の感触がりょうを思い出すのに、熱がぐるぐると出口を探しているようだった。
あの夢のせいだ。
今朝のことを思い出して、またずるずると深い闇に頭の思考が戻っていく。


静かな部屋に耐え切れなくなった俺は、TVをつける。
少しでも何かの音に包まれたくなった。
ニュース番組だった。

「今日、夜9時ごろ 東京渋谷区のスクラップ場で男性二人が、死亡しているのを近くに立ち寄った女性が発見されました。
死亡していたのは渋谷区警察署 刑事課の せりざわなおと さんと、
なるせ法律事務所所長 なるせりょう さんであることが分かりました。せりざわさんの腹部に銃弾の跡やなるせさんの腹部にナイフで刺された跡がある所から…」


な る せ り ょ う 


なんで




意味わかんないよ


混乱する頭に、静寂を切り裂く着信音。


着信相手はりょうからだった。

すぐさま、携帯を手に取る。
手は震えていたが、どうにか通話ボタンを押す。


「まさよし?」


りょうの声だった。


「りょう?本当にりょうなのか?今、ニュースで…」
「この電話の後、あの部屋に入りなさい」
「…なあ俺の話、聞いてんのか!?お前、何処いるんだよ!」
「今日だけ、許しますから、あの部屋にあるものを全部、捨ててください」
「こんな時に、掃除させる気かよ。何処にいんだよ、りょう!!!!」



「もう…時間がない…ねえ、まさよし、僕を赦してください。そして今まで、ありがとう。
貴方を愛してました」





「りょう!!!!何言ってんだよ、聞けよ…!」


空しく電話が切れた。もうすでに涙で顔はぐしゃぐしゃで。
ふらつく足取りで立ち上がり、手から滑り落ちる携帯が、床へ音を立てて落ちていく。
りょうが頑なに入れてはくれなかった、部屋に手をかける。
中に入って、灯りをつけると、散乱した物、物、物。
大量の赤い封筒、タロットカード、写真、ネガが所狭しと床に散らばっていた。


「なんだよ、この部屋…」


異様な空間に、思わず息を呑んで、俺はそこに近づく。
その赤い封筒の中に、紛れ込むように入った、真っ白な封筒を見つける。

宛名に、丁寧な字で俺の名が書かれていた。
きっと、りょうの字。
その封筒を取って、俺は封を開けた。

『まさよしへ
こんな形で、あなたに手紙を送るとは思ってもいませんでした。
でも、もう貴方に伝えることが出来るのは、きっとこういう手立てしかないので、ここに書き記します。
今から述べる事は、きっと貴方にとって辛いことでしょう。そして、僕にとっても、辛いことです。
けれど、これはすべて真実で、隠したり、捻じ曲げたりする権利なんて誰にもない。
だから、ちゃんと伝えなければならないと思います。
まず一つ、あなたのお父様を殺したのは、僕です。
はやしを煽り、貴方のお父様を殺すように仕向けました。どうして、お父様を殺さなければならないのか、それは追々あなたの耳に入ってくるでしょう。
そして、なぜ貴方を僕の元に呼んだのか。
気まぐれでした。
まるで暇つぶし、とでも言うかのように貴方を傍に置いて、飼い慣らし、いつか欺いて、僕を憎しむ貴方を見たいがため、でした。
しかし、日が経つにつれ、貴方に惹かれてしまったのです。
やさしい手、家に帰れば人がいる温もり、愛しさ。
こんな感情は必要もない、そう思えば思うほど、貴方を欲し、そして求めてしまう自分がいました。
人を欺き、生きてきた僕には、貴方にどれほど救われたことでしょう。
貴方の傍だけ、僕は僕へと還れた。幸せ、でした。

ですが、この手紙を読んでいるころには、僕はもう、貴方の傍へは帰れません。
僕が生きている権利など、とうの昔からなかったのだから。
貴方には、まだまだ生きる権利がある。
もっと幸せに、なってください。
貴方らしく。今の貴方なら、誰にでも愛されるでしょう。愛を知った貴方なら。
幸せになる貴方を見る事はもう出来ないけれど、幸せになる貴方を望み、願い続けます。
それが僕の幸せに繋がるのだから。

今まで、ありがとう。
そして、さようなら。』


「りょ…う…」


もう、すでに涙で文字が滲んで、読めない。
拭っても、拭っても、涙が止まらなくて。
体が崩れ落ち、床に泣き伏せた。


それでも、りょうが帰ってくる事はなくて。
部屋にあったものをすべて壊した。

どうして親父が殺されたのか、なんでりょうが死を辿ったのか。
この部屋にすべて詰め込まれていた。




全部、全部、赦すから。
ううん、最初から赦してる。

だから、だから、帰ってきて。
もう、何も求めない。







帰って、こないなら…いっそ…










会いに逝くから







俺を、置いていかないで。









飼い馴らされた、結果

(生きる術は、忘れてしまった)








追伸
まさよしさんシリーズ。

まさよしさんは、生きる事を選ばない気がしました。
これまでの流れに沿うと、なんですけど。
なるせせんせいが、もう絶対的な存在になってるから。
あと、最後の電話ですが…。なんやかんや、で、なんやかんや、ですよ。

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あのあの…
まさよしさんシリーズに万歳!
…したばかりなのに…もう終わり…ではないですよね?

まさよしさんにも哀しい結末が…訪れるんですね(T-T)
ホントに切ないです。
でもでも、あめみや様の描く世界が大好きなので
哀しくても切なくても読ませてください!
また、次回作楽しみにしております(^‐^)

PS.…なんやかんやはなんやかんやのままで…
   そこに誰も突っ込みませんよ~(笑)
   だいじょうぶぃ^^v


ななみ♪ 2008/09/17(Wed)22:54:53 編集
無題
こんばんは。
how to fly 読ませていただきました…。
負の連鎖、というか…悲しみの連鎖、ですね…。
やっぱり、心中て言うか、後追いというか…。
愛しい人の死を前にして、生き続ける選択をするのはけして簡単なことじゃないと思います。
そばに行きたい気持ち、の方が、勝っちゃうんでしょうね…。
あと、拍手のSS、楽しく読ませていただきました。
やっぱり、あめみや様の書かれる小説、大好きです。
というか、ファンです。(笑)
いえ、ファンというのは本当ですので、引かないでくださいね。(苦笑)
これからも、お忙しいとは思いますが、お体に気をつけて頑張ってください。
またお暇なときはうちにも遊びにいらしてください。
あめみや様に来ていただけるとそれだけでテンション上がるので。(^^)
それでは、また…。
けい URL 2008/09/15(Mon)21:04:02 編集
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初めに
こちらは、山が上、下に置く風なグループのお兄さんたちと同姓同名だったり、え!職業も性格も似てね^^?って言う方々がちょっとだけいちゃいちゃしてたりしてます。いわゆる、ビィエルゥな小説を置いているサイトでありブログです。
ここに関係者、また事務所さんとは全く関係ない事を誓います!
居ないとは…思いますが、所謂パ、クリとかしないで頂きたいです。 そして、あらし、さらしは止めてください。また、オンラインブックマークなども、我慢して下さい。本当にお願いします!
感想などは拍手やコメントの方でお待ちしております。それでは、楽しんで頂ければ幸い!ドウゾー!
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