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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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つづきー
後半はほとんど、ドラマ添い






ドウゾー↓








姉さんの好きな花を抱えて、あの笑顔を思った。
看護婦さんからは、いつものバルコニーではない事を伝えられて、少し首を傾げた。

少し離れた海へと続く廊下。
いつもの明るい彼女の雰囲気とは、明らかに違った。

「ここにいたんだ?」

声を掛けると、驚いたように首を竦めた。
感覚が冴えた彼女には珍しいことだった。

病室に戻り、二人っきりになった。
さっきから様子がおかしい。

「ねえ…」

なにかを言い掛けたそのときだった。
奴が来た。
あの引き裂くほど憎い、そして、僕と姉さんを結びつけた、あの男が。
なぜ?

彼女を苦しませたくない、こんな醜い復讐に巻き込まれないように綿密に計画してきたはずだ。
姉さんとあいつに接点を作らないように。

じゃあどうしてここに?

今、僕の計画は少しずつ狂い始めているのは確かだった。
けれど。
ここに奴が来るのは、絶対にありえない。

頭が酷く混乱している僕をよそに、姉さんとせりざわなおとは話を進めている。
これでは計画が狂ってしまう。
しかし、僕に過ぎったのは復讐の事ではなかった。
姉さんと離れてしまうこと。

「あの中身はCD-Rですね」

いけはたから送られたCDは、僕がりょうではない事を明かしたもの。
さっきから姉さんの様子がおかしかったのは、CDを聞いたからだろう。
あのCDは処分したはずなのに。

どうして。

せりざわの指が再生ボタンを押す・


ああ、もう終わりだ。なにもかも。



祈りにも近い気持ちで、目を閉じた。


すると、部屋に響いたのは優しい音楽だった。
僕もせりざわも、混乱していた。
落ち着いていたのは、姉さんだけ。

聞いてる、はずだ。

それなのに、姉さんはまるで本当に知らないかのように淡々とせりざわの質問に答えていた。


せりざわが病室を後にしてから、しばらく沈黙が続く。
姉さんは、ずっと夕日を眺めていた。眺めていた、のではなく感じていたと言うほうが正しいのか。

その沈黙を裂いたのは、姉さんだった

「りょう」

いつものように彼女は僕を呼ぶ。
そして、ゆっくりとその柔らかな声で、彼女の不安を初めて聞いた。
10年以上もそばにいて、弱音を吐く事のなかった彼女が。

「生きててよかったなんて思った事、一度もなかった」


と思っていたなんて。
僕は声を掛ける事が出来なかった。
彼女にとって、今話している相手はりょうではなく、ともお、としてだと気付いてしまったから。


「でもね、りょう」
「…何?」

精一杯の声だった。
声が震えてしまう。
彼女を失う恐怖で、涙が、溢れてしまいそうだった。

「わたしには、あなたがいてくれた」

そして彼女の頬に、初めて見る涙が流れた。

「あなたは、私の生きる希望だった」

その言葉に、全ての罪悪感が、涙として溢れる。
もう、なるせりょうではない。
まなかともおとして。

「…ごめん」

姉さんに対してか、りょうにたいしてか分からない。
けれど、赦されたかった。
誰でもなく、姉さんに。

「ずっと・・・」
「いいの」

ずっと騙して、と言いかけたのを姉さんは遮った。

「ずっと前から分かってた」

彼女は最初から、全て知っていた。
何もかも、知っていて、僕を…。
もう嗚咽さえ止まらず、涙が流れる。
姉さんの顔は、初めて見たあの柔らかで穏やかな顔だった。

なにも責めたりはしない。
赦していると。

「男の子が泣いちゃ駄目でしょ、りょうは小さい頃から泣き虫なんだから」
「ごめん」


もっと違う形であなたに会いたかった。
涙が後から後から溢れて止まりそうにない。
どれだけ、この十年間が自分にとって大きいものだったかを思い知らされる。


「あーあ、あのCD友達から貰ったお気に入りだったのにな」

彼女は察して、いやみの一つを零す。
いつもそうだった。
僕に、いやみを言ったりからかってきたり。
思えば、この10年間知らない振りをして、ずっとりょうを演じ続ける僕を彼女はからかっていたのかもしれない。
そういえば、いつも僕の分からないような意地の悪い質問が多かったっけ。
溢れる涙もそのままに、僕は姉さんを見つめた。


窓の方を向いて、彼女は呟く。


「もう一人で、生きていける」


これが僕への罰、なんだろうか。
もう、会うことは出来ない。
彼女の柔らかな拒絶に、打ちのめされた。



CDを手に、僕はふらふらと立ち去ろうとしたそのときだった。


「りょう」


不意に呼ばれて振り返る。


「お誕生日、おめでとう」


ああ、彼女のりょうとして役目が、今終わった。

「ありがとう…姉さん」



もう呼ぶ事はない。その姿を見る事さえ出来ない。
好きだった、あの笑顔も。





ねえさん、あなたも罪を償うのですか?






血の繋がり
(あなたの目には見えていたのだろうか)

















追伸。
いやー、もうドラマ見て、ワンワン泣いちゃって。
りょうは絶対姉ちゃんが好きだったんだ!と見切り発車で書いちゃったもんだから。
もう散々ですな。はじめの方で終わらせときゃよかったなぁ。

はじめの感じは自分的に好きです。

でも、段々ドラマとリンクさせないといけなくなってからグダグダ。

ま、あとはご想像にお任せします。的で宜しいですかね?
おーのくんとゆうかちゃんって似てね?もうきょうだいでよくね?
同い年だし、もうよくね?
みたいなノリで。ゆうかちゃん、このドラマで好きになりました^^
改めて、しゅくだいくんのゲストの時を見直したいと思います。

きゃーキャー。





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こちらは、山が上、下に置く風なグループのお兄さんたちと同姓同名だったり、え!職業も性格も似てね^^?って言う方々がちょっとだけいちゃいちゃしてたりしてます。いわゆる、ビィエルゥな小説を置いているサイトでありブログです。
ここに関係者、また事務所さんとは全く関係ない事を誓います!
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