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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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お出かけから帰ってきたよーつって。




※気をつけて!


やまとかぜのグループのお兄さんと、偶然にも名前が同じで…あれ、境遇も似てない?っていうお兄ちゃんが
なぜか恋人になったりするという、危険なb-エルと呼ばれるジャンルの物です。

それなりの理解と知識、そして常識を持ったお姉さん方のみ読んでください。



今回は、にのちゃん中心(というか、にのしか出てない)です。


ドウゾー  ↓
 



電話は嫌がらせのなにものでもなかった。
案の定、じゅんくんは取り乱すことはなかったけど、明らかに動揺してた。
これ位、仕返したっていいじゃない。
だって、じゅんくんは俺の一番大事なもの、持っていくでしょ。

(すっげー、可哀相だよね、俺ってば)

あのあと、二人がどうなったかなんて知らない。
見たくもなかったし、興味もなかった。
ただ、楽屋に戻って、ひたすら帰りを待とうとしただけ。
ま、癪に障ったから電話してみたんだけど。

電話を切った後、膝を抱えてソファに座る。
段々、泣きたくなるほど恐ろしくなった。
おおのくんが、自分の元から離れて行く事に。


俺には、おおのくんしか、いないのに。


元々、どうしてか人と一歩置く癖があって、何人か付き合った彼女や友人と呼べる人。
最後まで、全てを曝け出して心許せる人なんて、居なかった。
別に、そんな人居なくたって、生活において困る事もなかったし、居ないからと言って取分け楽しくない訳でもなかった。

けど、おおのくんと出会ってからというもの、人の領域関係なく勝手にどんどん入ってくる人だったから、気付いたらいつもそばに居て、どうしてか触れたいと思うようになっていた。
その行動は、やっぱり俺だけのものじゃなかったから、誰彼構わず、彼に周りが惹かれていくタイプだったと思う。

いつの間にか芽生えた、独占欲。
関係など、メンバーと言う位置しかなかった。
一歩進んだ関係になるために、この人の全てが俺の物になるようには。

その時の俺は、雰囲気も然ることながら、色恋って言うものに人一倍鈍感なおおのくんに対して、とりあえず、押して押して行くしかなかったわけ。
最初は冗談でしか、受け取ってくれなかったけど。
雑誌の取材、コンサート、TVの収録現場、異たる所で面白おかしく俺とおおのくんの位置づけを確保した。
おおのくんは基本的にノリやすいタイプだったから、すぐにのってきた、と言うこともある。

あとは、彼の優しさにつけ込んだ。
聞こえは悪いかもしれないけど、彼女と別れた事をだしにして、おおのくんに慰めてもらった。
情けない自分を装って、彼に、付き合ってと言うと。
「いいよ」と彼は小さく頷いた。

そこから、お互いがのめり込むのはあっという間だった。
スキンシップの延長として、キスをして、そのままセックスに縺れ込む。
その身体を初めて抱いたときの喜びったらない。
男同士、っていうこの行為はお互い初めてだったからか、酷く高揚して、朝目覚めてからも、何度も行為を繰り返した。
おおのくんは好奇心が強かったから、始めの抵抗はあるものの、最終的に行為も厭うことはなかった。
俺自身は行為の気持ちよさというより、彼の身体の全てが自分のもの、ということに快感を齎した。

あとは、男女の恋と差ほど変わらない。
しかし、仕事上、男女の恋でさえ煩わしさがあるので、事密やかに関係は続いた。
ようやく俺の努力は報われて、今では彼の全てが俺で、俺も彼が全てになった。

それなのに。


(俺よりも前から、好きだった。)
(おいらも、すきだったよ)


なんて聞いたら。
情けないじゃん。当て馬みたいになるでしょ、俺が。
俺という障害を乗り越えた二人は、めでたしめでたし。って。
場末のドラマみたいな。
いろんな役演じてきたけど、こんな損な役回りを演じるのは馬鹿らしいでしょ。

あっちはその気になって、くるだろう。
おおのくんの気持ちも、きっとじゅんくんに傾くはずだ。
それは避けられない。

けど、過ごして来た時間は圧倒的に俺の方が勝ちだ。
彼の優しさから考えて、まだ、俺の元から離れる事はない。
だって、あなたを騙して、こういう関係になったんだよ、って明かしたって。
知ってたよ、っていう位、これは付き合ってから気付いたんだけど、彼は人の気持ちにとにかく敏感に勘づく人だった。
付き合って、っていった時も俺の気持ちにとっくに気付いてたというから驚いた。

今回は、そんなおおのくんが気付きもしなかった、というじゅんくんの気持ちが分かったんだ。
気持ちが揺らがないわけがない。前から好きだったと言うなら、尚更。

(離れないで)

彼の幸せを願うならば、身を引くのが一番…?
なんて、思わないよ。
彼を幸せにしてみせるのは、俺。
幸せなんて、後のち考えて思うことなんだから。
絶対譲るなんてしない。


俺は強く唇を噛み締めた。
一粒流れた涙は、誰にも知る事はない。




の中に僕を
(映すのは、僕だけでいい)








…追伸
にのの独白、おおのくんとの赤裸々なりそめ。
天使にの、になったかなぁ…
ちょっと弱そうな雰囲気は出してみたつもりですが…

話の進展は今回はなしです。
とりあえず、じゅんくんの気持ち中心だったので、今回はじゅんくんに追いつき追い越せな感じで。
にのちゃんしか出しませんでした。

次は…、ね。
もっと、他のメンバーも絡めたいけど、なぁ…ややこしや。になりそうだお^^






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