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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

ちょっとだけお兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい!いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!
やまとかぜのお兄さんたちと同じ名前で、同じ職業だけど、他人の空似だと思ってくださいね^^



さ、ついに8に突入!まつじゅんの攻撃。
逆転なるかー!?
そして、今回もまつじゅん視点、ニノ視点でお送りします!


どうぞー。


あの後、おおのくんは俺の手を離さなかった。小さく頷いて、その絡めた視線は妙に熱っぽくて。
これを所謂、酒の勢い、というならそれでいい。


ホテルに縺れ込んだ俺たちは、部屋に入るや否や、貪るようなキスをしながらベットへと倒れこんだ。
お互いの服を脱がしあい、それさえも疎ましいくらいに唇を重ねた。
唇が爛れるような感覚と、彼の控えめな香水と少し汗の混じった香りで、頭がくらくらとする。

彼の身体を堪能して、俺たちは一つに交わった。
ニノに施されている、というのは抱いたこの腕から十分に感じた。

彼が快感を最高潮に感じた時。
洩れた言葉は、俺をどん底につき落とした。

「 か ず 」

って。
彼の全ては、やっぱり、にのだった。
無意識に呟くそれは、本物。
その後、俺の名前は決して呼ばれる事はなく、その快感に酔った嬌声とその最後の呟きしか聞けなかった。
達成感と虚無感が同時に襲う。
それは、その後何度抱いても変わらなかった。

俺は半ば放心状態で、彼が眠るベットの脇に座り、その柔らかな黒髪に触れる。

「愛してるよ」

そう呟いても、彼の返事はない。
抱いてる最中だって、好きだ、とか愛してるとか囁いても、なんの反応はなかった。
そればかりか、彼の瞳の奥に罪悪感すら見えた。

なんだよ、と苛立って。俺は立ち上がった。シャワーを浴びようとしたときだった。
おおのくんの鞄の中から、彼の好きな洋楽の曲が流れた。
どうやら着信音らしく、鞄から取り出して、おおのくんを起こそうと思った。

相手が、ヤツでなければ。

相手の名前を確認すると、俺の口端が悪戯気に上がる。
了解を得ることなく、俺はその通話ボタンを躊躇いなく押した。

あのときのように、俺はもう怯えない。


「もしもし」
「…あれ?これ…おおのくんのだよね。なんで、じゅんくんが出るのさ」

電話の相手はにの、だった。
ニノ独特の少し高めの声が耳に聞こえる。今度はニノが戸惑う番だよ。
苦しんでよ、悩めよ。

「なんで?」

ニノの声のトーンが明らかに下がった。

「今、寝てんだよね。電話だったから起こそうと思ったけど、ニノだったし。急ぎなら俺が伝えとくけど」
「…勝手に出んなよ。それとも、何、俺へのあてつけ?」


正直に、あてつけだよ、って言ったら何も言わず電話を切られた。
荒々しいな。
何事もなかったようにそのまま、その電話をおおのくんの横へと置いた。


責めてよ。

俺を

おおのくんを


おおのくんを解放してあげて。
おおのくんはにのに縛られてるんだよ。





だから。





●○●○●





胸騒ぎがしたんだ。
スタジオを出る時からずっと。

でも、どうしても次の仕事に行かなくちゃいけなくて。
いつもどおり、一番に楽屋を出るおおのくんの背中をただ見送るだけだった。

仕事は押しに押して、てっぺんを超えてしまった。
帰ったのは1時を回った頃で。


部屋に帰って、疲れによってベットに倒れこんだ俺は、不意にさっきの胸騒ぎを思い出した。
もう寝てるかもしれない。
そう思ったけど、落ち着いてられなくて、電話履歴からおおのくんの携帯へと電話をした。


呼び出し音が続く。

(やっぱ、寝てるか)

ここ最近の彼の忙しさは半端ない。
まともな睡眠時間が取れないから逃げ出したいと、何度聞いたことか。
しょうがないと、彼を思うとちょっと笑みがこぼれて、電話から耳を離そうとしたときだった。

「もしもし」

その声は愛しい人のものじゃなかった。
胸騒ぎの原因はこれか。

さすが、勘が冴えてる、なんて思ってる場合ではなくて。

「…あれ?これ…おおのくんのだよね。なんで、じゅんくんがでるのさ」

まさか、履歴から探したから、間違ったとか…そういうのは…ないよね。
そもそも、そんな電話とかしないし。
なかなか返事がない。

なに企んでんだか。

もう一度問うよ。
これが、最後のチャンス。

「なんで?」

って。思いっきり声を低くしてやった。
こんな事しても、もう怖気つく事はないだろうけど。

「今、隣で寝てんだよね。電話だったから起こそうと思ったけど、ニノだったし。急ぎなら俺が伝えとくけど」

ものにしました、って声。
苛々する。
抱いたじゅんくんを、そして抱かれたおおのくんに。

偉そうな口聞いてんじゃねーよ。

「勝手に出んなよ。それとも、なに、俺へのあてつけ?」





「…あてつけだよ」




その言葉を聞いた瞬間、電源を切って、携帯をそのまま力いっぱい壁に投げつけた。
どこに怒りをぶつければいいか分からず、唇を噛み締める。

人のもんに勝手に触っておいて、もう自分の物扱いかよ。
そんな最低なヤツだと思わなかった。
信頼って、やっぱりこんなものか。

信じたとたん、これだ。


唇が切れて、血の味が広がってくる。
痛みの所為じゃない。

じゃあ、どうして涙が溢れてくるんだろう。


この涙、止めてよ。
抱きしめてよ。
ニノ、が好きだって。


ねえ。


どこにいるの。
なにしてるの。


一人で釣り雑誌見てたよって。
ニノに会いたいって、言ってよ。


なんで、隣に誰かいるの?
俺じゃないの?


お願い、答えてよ









Gimmick Game
(騙しあいで、仕掛けあい)
(このゲームを制すのは)






追伸
まつじゅんがこーわーれーた!
って事で。

お気づきの方もいらっしゃるでしょう…まおーネタ頂きました!出たこれ!
なるせせんせいのを拝借いたしましたことを、心からお詫びします。
いやー、これ使えるよ。
そのままの意味にです。はさすがに使わなかったけど。ニュアンスをお借りしました。

いやー完璧まつじゅん悪者に回ってきてるね。
どうしよ、これ。
にのちゃんが可哀相すぎる…(・へ・)
それよりなにより、おおのくん…あなたの気持ちが私には見えない…!!!!

一番問題だよねー、なーんでまつじゅんに着いて行っちゃったんだろ。
ねー。
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