3.相合傘 （AO)

※気をつけてください

お兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい！いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします！



相合傘って、最近見かけないなー…。

最近、天気はめちゃくちゃだ。
天気予報なんて当てになんかなりゃしない。


バケツをひっくり返したような大雨。
収録終わりで、局のエントランスで空を見上げてると。

「あちゃー…何だよ、これ…」


リーダーが同じく空を見上げて呆然と立っていた。

「あ、リーダー！お疲れー」
「お、あいばちゃん、お疲れー。…なんか、すっげー雨だな」
「だね。帰れないっつーの、みたいな、さ」
「傘なんて、持ってねーよ…」
「え、リーダー傘持ってないの!?」
「朝、晴れてた」
「そっかー、そーだよね。一緒に帰ろう！入れてあげるっ」


パンっと勢い良く傘を開いて、俺はリーダーの手を取った。
いいよー、といいつつ二人で並ぶ傘の中。
実際、傘なんて意味ないくらい、雨は降ってるけど。
なんか、楽しくて。


「なんかテンション上がってんの、俺だけかなー」
「じゃない？おいら、すっげー低いもん」
「ええー！そこはあげあげでいこうよー」
「ちょ、傘動かさないの！」


傘持ったまま振っちゃったもんだから、水滴が撥ねる。
それにさえ、テンションが上がっちゃうのは、雨のせいじゃない。
この、繋いだ右手の熱さ、かな。
ちょっと無理して、繋いでるのに、リーダーは結局嫌がったりしない。


「ねー、相合傘、だね」
「おー、相合傘じゃん」
「なんか青春、感じちゃいますね」
「こんな青春、したことねーな」
「今から、じゃ遅いかな」
「青春？」
「うん、俺と一緒に」
「いいんじゃない？」


リーダーの手が俺が持っていた傘を持って。繋いだ手に傘を持たせた。

「ほら、青春っぽくない？」
「いいねー」
「お、なんか楽しくなった」
「あげあげしますか！」
「あげあげじゃー！」



青春気分で二人で持つ傘。
相合傘。






雨宿りなんてしないで。
（君となら、傘の下、が晴れた）




追伸
青春、したいな。