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サイフォン
あら/しおんりーですよ! 小説がありますが、実在の人物様とは関係ない!という事になっております。ご了承ください。
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※気をつけてください

ちょっとだけお兄ちゃん同士の恋、が絡んでます
女の子なんて、まったく一切、絡んでないです。そんな恋を見たい!いや、求めてたよ!!!!
っていうお姉さんがた、どうぞー。
もちろん、その世界の常識を兼ね備えてる方のみで、お願いします!
やまとかぜのお兄さんたちと同じ名前で、同じ職業だけど、他人の空似だと思ってくださいね^^


以前、書いた学生パロの続き、だと思ってください。
ちょっと内容が変更してある気も無きにしも非ずなので、そこら辺はご了承下さい!



それでは、ドウゾー ↓









夏休みが終わる。
補習の頃から、友達、みたいになった俺たちは、最後の夏休みの日を満喫するため、時期が過ぎた海に向かった。
ちらほらと、サーファーみたいな人たちがボードを抱え、泳いでるくらいで。

学生服を着た、俺たちはすこし浮いてる感じだった。

「やっぱ、違う…」

おおのは呟いた。スケッチブックと少しの絵の具を持って。
そう、ここに来たのはおおの提案で。昨日の夜、いきなりメールが来て。
『海、行く』とまるで暗号めいていた。そして、メールを返してもそこから返事はなくて。
お互い面倒くさがりやが祟って、そこから連絡する事はなかった。

そして、朝。突然彼がやって来た。
制服姿で。
朝のぼっさぼさな髪型を、いつものとおり力業で直して、俺も仕方なく学生服を着た。

電車を乗り継ぎ、やって来たのがここだった。


海へと向かう階段に座り込み、口を尖らせたおおの。
俺も、その横に座って、海を眺めた。

「いいじゃん、海、綺麗だよ?」
「ん…なんか、違う。」
「なによ。…あー…水着のお姉さんが、居なかったかー」
「ちげーよ」


音を立てて放りだされた、スケッチブックとその道具。
なんで、こんなに苛立っているのか、俺には分かんなくて。
仕方なく、そのばらばらになったものを、ゆっくりと拾い集めていた。
そこから、いつまで経ってもおおのはなにも言わない。
ただじっと、海を睨んでいる。
しばらく、見ていた俺も、痺れを切らして。

「もー、なに?あんたさー、はっきりいってくんないと、俺もここに来た意味なくなるんだけど」

まだ、やりかけの宿題も放り出して、ここまで来たって言うのに。
すると。

「おいら、さ。夏休み中、絵、描いてたんだけど。昨日、描き終わって、気づいたら明日から学校でしょ。あー夏休みらしいことなんもしてねーやって思って。」
「で、来たんでしょ。じゃあ、いいじゃん。なにがそんなに不機嫌なわけ?」


おおのはなにも言わずに、スケッチブックを取り出した。
ぺらぺらと捲って開いたページ。

真っ青な海と、真っ青な空。
まさに、今、見ているような景色が、そこに描かれていて。

「にのは、これ見て、どう思う?」

スケッチブックに描かれた絵をまじまじと見ている俺に、おおのは問いかけてくる。
その目は、いつになく、真剣で。

「いや、上手いよ?」
「でも、にのが見てるのとは、違う」
「は?」

違う、ともう一度呟いて。スケッチブックは閉じられた。
前々から、俺の見ている景色を描きたいと、言っていたけれど。
どうして、それがまた、海で、しかも今、なのか。


「なーにが、違うのか、俺にはわかんねーけどさ。なんなら、もう一回描いてみりゃいいじゃん。
一緒に見てんだから、俺が見てる景色とあんたが見てる景色は、今一緒だよ。」
「時間が、ねーじゃん…」
「夜になっても描けよ、一緒に居てやるから」

片付けた絵の具を、力強く、おおののひざの上に置かれたスケッチブックの上に置いた。
小さく頷いて、おおのはやっと、筆の中に紛れていた鉛筆を片手に、紙へと向かった。
8月の終わりの日差しは、まだ暑くて。
額から流れる汗が、顎を伝い、紙が濡れてもそれさえ拭わず、おおのはひたすら鉛筆を走らせている。
なーにがいいんだか。芸術家肌の奴って、いまいちわかんない。
けど、見飽きないのが不思議だった。いや、おおのだから、って言うのもあるかもしれないけど。

暇を弄ぶ俺は、海を眺めるのも飽きて、おおののスケッチブックに目を向けた。
やっぱり、賞とか取るだけあって、そのタッチは素人の俺でも、上手いって言えるものが描かれていた。


「ねー、何でそんなに俺が見てる景色にこだわんの?」
「ん……、前に言っただろ…気になんの、お前の映ってるものが…」
「やっぱりわかんない、わ。それって、どういう気持ち、なの?」


ふーっと息をついて、大野は筆を止めた。そこから、俺に向き直って。

「……やっぱ、いわね。描いてからにする」

と、訳の分からない事を言って、また紙に向きなおした。
俺も、それ以上聞かず、また海を眺めた。
だんだん夕日が沈む頃になる。周りに居た客も、もうすっかり居なくなって。
自分たちだけになっていた。相変わらず、おおのだけは真剣に、何処にあるのかわかない集中力で、筆を動かし続けている。

沈む夕日とともに、夏休みが終わっていく。
おおのと知り合ったのも、この夏休みだった。補習の後も、気づけばいつも一緒に居て、家でゴロゴロしたり、絵を描くおおの姿をじっと見つめていた。
毎日のようにおおのの隣にいる事が、当たり前の自分が居て。
今までにない、夏休みを過ごした気がする。本当の友達で、もっとそれ以上の何か。
なんだかんだで、こいつといて楽しかったな、なんて思い返しているうちに、眠くなって。


「…の。…に、の!起きろ、にの!」


がくがくと揺さぶられ、目を覚ます。すっかり日は落ちて、辺りは真っ暗だった。
涼しい冷たい風が頬を撫でた。
まだ冴えない頭が、おおのの顔にピントを合わせず、ぼやけた顔が目に映った。

「ねんなよー…」
「おめーが、なげえからだよ…」

と一つ欠伸をして、軋む体を伸ばした。
スケッチブックも、絵の具も全て片付けられていた。

「終わったんだ?」
「おう!見てくれる?」


スケッチブックをさっきみたいに開いた。
すると、さっきのとはまるで違う、海がそこに広がっていて。
さっき見た、海そのもの。

「まんまじゃん。すっげ…」
「本当に?ニノが見た海になってる?」

よほど心配だったのか、嬉々としてして喜ぶおおの。
凄いとしか言えないけど、本当に凄い。

「うん、すげえ…」

するとぎゅっと抱き寄せられた。
一瞬戸惑ったけど、達成した喜びがあったのだろうと、背中をぽんぽんとあやした。

「ねえ、にの」
「ん?」
「おいらさ…」

抱き合ったまま、おおのは呟く。

「…にのの景色が、欲しい…んだ」
「景色…?」


肩をつかんで、体を離される。
じっと俺の顔を見つめてきて、俺はその視線から目を離せずに居た。


「…今、おいら見てる、でしょ。ずっと、そうやって、俺を見てくんねーかな…」


おおのは顔を伏せた。もう耐えられないといった表情で。
言ってる事が恥ずかしいんだろう。
その姿が可愛く見えた。
すると、自然に笑いがこみ上げてきて。


「じゃあ、あんたの景色も…ちょうだいよ」


今度は俺が、おおのの体を抱きしめた。そこから抱きしめ返されて。
波音と、おおのの心臓の音がとくとくと聞こえていた。



月明かりが、海を照らし、きらきらと波間を漂う光の中、俺たちは初めて小さくキスをした。



「今、なにが見える?」
「あんたの情けない顔」















君の目に映る全てはもう、僕のものだから




おまけ。
(あんた、宿題やってるの?)
(真っ白だけど?)
(やっぱすごいわ)
(見せて、とか言わないから安心しろ)
(そー言うわけじゃないよ。やる気ある?)
(ねえよ。ださねえから、やんないの)
((男らしいんだか、なんだか))











追伸
ついに、りょー思いっす!
青春って難しいな!したことねーもん、いまだに青春募集中です!
ってことで、夏休み最後の日に書いてみました!
実際は、おわちゃってるけども。

高校生とか中学生の子たちは、明日から新学期ですよ!ちゃんと、宿題やったのかしら?
私のときは、夏休み明けに終わらせるのが普通でした!
ええ、駄目人間ですよ^^!!!!!!!

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こちらは、山が上、下に置く風なグループのお兄さんたちと同姓同名だったり、え!職業も性格も似てね^^?って言う方々がちょっとだけいちゃいちゃしてたりしてます。いわゆる、ビィエルゥな小説を置いているサイトでありブログです。
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